飲食店の現場で使える「グルーピング」
飲食店の整頓で大切なのは、「きれいに並べること」だけではありません。
前回の記事では、物をきれいに並べても、それだけでは現場は変わらないというお話をしました。
では、実際にどのように整頓すれば、仕事がしやすい現場になるのでしょうか。
今回からは、飲食店の現場で使える「整頓のテクニック」を具体的に紹介していきます。
最初に取り上げたいのが「グルーピング」です。
グルーピングとは?
グルーピングとは、簡単に言えば「一緒に使うものをまとめる」ことです。
ただし、ここで注意したいのは、「同じ種類のものをまとめる」だけではないということ。
現場で考えたいのは、「一つの作業に必要なものをまとめる」というグルーピングです。
「同じもの」ではなく「一緒に使うもの」で考える
例えば、飲食店で盛り付け作業をするとします。
盛り付けに使う道具が、あちこちに置かれていたらどうでしょう。
「スプーンはここ」
「トングはあそこ」
「盛り付け用の容器は冷蔵庫の横」
「ラップは別の場所」
となっていると、一つの作業をするために何度も取りに行かなければなりません。
一つひとつの収納場所は間違っていなくても、作業としてはやりにくい状態です。
そこで、「この作業をするときに、何を使っている?」という視点で考えます。
そして、その作業に必要なものをできるだけ近くにまとめます。
これが「作業単位で考えるグルーピング」です。
グルーピングすると「一度でできる」が増える
整頓を考えるとき、「どこに置けばきれいに見えるか」ではなく、
「この作業をするとき、一度に必要なものが揃っているか」を見てみてください。
必要なものを取りに行く。
作業をする。
また別のものを取りに行く。
また戻ってくる。
この繰り返しが多ければ、それだけ人の移動が増えます。
そして、忙しい飲食店では、その小さな移動の積み重ねが、作業時間や動きやすさに影響します。
グルーピングのポイントは「人」ではなく「作業」
ここで、もう一つ大切なことがあります。
グルーピングは、
「この人が使うもの」
ではなく、
「この作業で使うもの」
を基準に考えることです。
担当者が変わっても、同じ作業なら必要なものは基本的に同じです。
だからこそ、
「誰が使うか」よりも
「何の作業に使うか」
でまとめるほうが、現場では共有しやすくなります。
まずは一つの作業から見直してみる
いきなり厨房全体を整頓しようとする必要はありません。
まず、一つの作業を選んでみましょう。
例えば、
・開店準備
・盛り付け
・ドリンク提供
・洗い場
・閉店作業
などです。
そして、その作業を実際にやっている人に、
「この作業で使うものは何?」
と聞いてみます。
出てきたものを並べてみると、
「こんなにたくさんの場所から集めていたの?」
と気づくことがあります。
整頓は「物を置く場所」ではなく「仕事の流れ」から考える
整頓というと、
「これはどこに置く?」
と、物の置き場所から考えがちです。
でも、現場改善で考えたいのは、「この仕事をするとき、どんな順番で物を使う?」ということ。
仕事の流れを見て、必要なものをまとめる。
使いやすい位置に置く。
取り出したものを戻しやすくする。
こうして初めて、整頓が「仕事をしやすくする仕組み」になります。
きれいに並べることが目的ではない
整頓の目的は、収納スペースをきれいに見せることではありません。
「必要なものが、必要なときに、すぐ使える」こと。
そして、「一つの作業を、できるだけ途中で止めずに進められる」ことです。
そのための方法の一つが、作業単位で考える「グルーピング」です。
次に現場を見るときは、「同じ種類のものがまとまっているか?」だけではなく、
「一つの作業に必要なものがまとまっているか?」という視点で見てみてください。
整頓の見方が、少し変わってくるはずです。
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【筆者紹介】
徳王 美紀(とくおう みき)
飲食店専門 現場改善コンサルタント
飲食店を中心に、HACCP・5S・環境整備・従業員教育を通して、働きやすく、生産性と品質の向上につながる現場改善を支援しています。


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