整理整頓は「従業員の仕事」ではなく、リーダーが方向性を示す仕事です
「整理整頓はスタッフがやること。」そう考えている店長や経営者の方も多いのではないでしょうか。
もちろん、実際に整理整頓を行うのはスタッフです。
しかし、「どのような職場を目指すのか」「なぜ整理整頓が必要なのか」を伝えるのは、リーダーの役割です。
「やっといて。」
その一言だけでは、スタッフは何を基準に動けばよいのか分かりません。

整理整頓は「やらされ仕事」になり、長続きしない職場になってしまいます。
私が飲食店の現場改善に携わったとき、2店舗同時に改善研修を行ったことがありました。
一方の店舗では、店長が毎回研修に参加し、スタッフと一緒に改善に取り組みました。
もう一方の店舗では、店長は参加せず、エリアリーダーだけが研修を受けて店長へ報告する形でした。
最初の数か月は、どちらの店舗も改善が進みました。しかし、その後、大きな違いが現れました。
店長が参加していた店舗では、スタッフが自ら問題点を見つけ、改善案を考え、ルールをつくり、改善内容を掲示するようになりました。
改善活動は店舗全体に根付き、最終的には会社の年間改善賞を受賞しました。
その姿を見て改めて感じたのは、「リーダーの姿勢が、職場の姿勢になる」ということです。

店長が毎日片付けをする必要はありません。
しかし、自ら関心を持ち、一緒に取り組む姿勢を見せることは、とても大切です。
「ここを使いやすくしたい。」
「探し物をなくしたい。」
「新人でも迷わず仕事ができるようにしたい。」
そんな目的をリーダーが示すことで、スタッフは同じ方向を向いて行動できます。
反対に、
「片付けといて。」
「適当にやっといて。」
だけでは、何を目指せばいいのか分からず、改善は続きません。
整理整頓は、単に職場をきれいにすることではありません。
働きやすい環境をつくり、人が育ち、改善が続く職場をつくるための土台です。
リーダーの役割は、片付けをすることではなく、環境を整えること。
その姿勢が、スタッフの行動を変え、人が辞めない職場づくりにつながります。

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【筆者紹介】
徳王 美紀(とくおう みき)
飲食店専門 現場改善コンサルタント
飲食店を中心に、HACCP・5S・環境整備・従業員教育を通して、働きやすく、生産性と品質の向上につながる現場改善を支援しています。
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