人が辞める職場は、片づいていても危険
モノは整っているのに人が辞める。その原因は「人間関係の環境」にある
飲食店の現場改善というと、多くの方が整理整頓や5S活動を思い浮かべます。
・定位置を決める
・探し物をなくす
・清掃を習慣化する
・働きやすい動線をつくる
これらは現場を強くするために欠かせない取り組みです。
しかし、飲食店のコンサルティングをしていると、こんな相談を受けることがあります。
「厨房はきれいなのに人が辞める」
「整理整頓はできているのに新人が続かない」
「5S活動をしているのに職場の雰囲気が悪い」
実はこれは珍しいことではありません。
なぜなら職場環境には、「モノの環境」と「人間関係の環境」の2つがあるからです。
整理整頓だけでは、人が辞めない職場は作れません。
今回は、飲食店で離職が発生する本当の原因について考えてみたいと思います。
理由① モノの環境だけでは人は定着しない
整理整頓や5S活動は、働きやすい環境づくりの土台です。
例えば、
・必要なモノがすぐ見つかる
・探す時間が減る
・作業効率が上がる
・ミスが減る
こうした効果があります。
しかし、人が辞める理由の多くはモノではありません。
実際には、
・質問しづらい
・相談できない
・失敗を責められる
・意見を言えない
という心理的なストレスが積み重なっています。
どれだけ厨房がきれいでも、「また怒られるかもしれない」という不安を抱えながら働く職場は、決して働きやすい環境とは言えません。
つまり、モノが整っていることと、人が安心して働けることは別問題なのです。
理由② 人は仕事で辞めるのではなく、人間関係で辞める
飲食店は忙しい仕事です。
そのため、「忙しいから辞めた」と思われがちです。
しかし実際には、忙しくても人が定着している店があります。
その違いは何でしょうか?
それは、安心して働ける環境があるかどうかです。
例えば新人が失敗した時。
①「なんでできないの?」と言われる職場と、
②「次はどうしたらうまくいくかな?」と言われる職場。
同じ出来事でも受け取る印象は大きく変わります。
人は完璧な職場を求めているわけではありません。
安心して成長できる職場を求めています。
だからこそリーダーには、仕事を教える力だけでなく、人を育てる力が求められるのです。
理由③ これからの環境整備は「人間関係」も整える
私は整理整頓や環境整備の支援をしていますが、
環境整備とはモノだけを整える活動ではないと思っています。
例えば、
・質問しやすい空気がある
・相談しやすい関係がある
・ミスを報告しやすい
・助けを求めやすい
こうした状態も立派な環境整備です。
棚の定位置を決めるように、言葉のルールを整える。
掃除の基準を決めるように、コミュニケーションの基準を整える。
これからの飲食店に必要なのは、「モノを整える力」だけではなく、「人が安心して働ける環境を整える力」なのです。
まとめ
整理整頓ができている職場が、必ずしも良い職場とは限りません。
本当に強い飲食店は、
①モノが整っている ②仕組みが整っている ③人間関係が整っている
この3つが揃っています。
人が辞めない職場を作るために必要なのは、スタッフの意識を変えることではなく、安心して働ける環境を整えることです。
これからこのブログでは、
・指導とハラスメントの違い
・アンコンシャスバイアス
・新人が辞める職場の共通点
・カスタマーハラスメント対策
などについても、飲食店リーダー向けに発信していきます。
まずは今日、あなたの職場で「質問しやすい空気」があるかを見渡してみてください。
それも立派な現場改善の第一歩です。
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【筆者紹介】
飲食店の職場環境を整える整理収納専門家:徳王美紀(とくおうみき)
整理整頓・環境整備・HACCP・従業員教育を通じて、飲食店の現場改善を支援しています。
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