62.HACCPを続けていて良かったと思えた日

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HACCPを続けていて良かったと思えた日

2021年、HACCP制度化をきっかけに、小さな飲食店で衛生管理の仕組みづくりが始まりました。

お客様と一緒に勉強会を開き、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」に沿って、

  • 一般衛生管理
  • 重要管理点(CCP)
  • 作業手順書
  • 記録方法

など、一つひとつ店舗に合った形で整備を進めていきました。

最初は「面倒」「意味あるの?」という声も

新しいルールを決める、毎日記録を残す、決められた手順を守る。

現場では、
「これって本当に意味があるの?」
「正直、面倒だな…。」
そんな声が聞こえてきたこともありました。

それでも、お客様と一緒に話し合いながら、「安全な商品を提供するため」「誰が作業しても同じ品質を保つため」という目的を共有し、一歩ずつ取り組みを続けてきました。

数年後、保健所のチェック

数年後、保健所による衛生管理の確認がありました。
日頃から取り組んでいる記録や作業手順を確認していただいたところ、担当者の方からこんな言葉をいただきました。

「ここまで準備をして、継続して取り組めているお店はなかなかありません。本当によく頑張っていますね。」

店主も従業員の皆さんも、とても嬉しそうな表情をされていたことを今でも覚えています。

「やっていて良かったですね。」そんな言葉を自然と交わせる瞬間でした。

評価されたことで、現場が変わった

実は、この言葉をいただいた後、現場の雰囲気が少しずつ変わっていきました。

それまで「面倒だな」と感じていた従業員の皆さんも、「真面目に続けてきて良かった。」
「毎日やってきたことは無駄じゃなかった。」と感じるようになり、HACCPへの取り組みが以前よりも前向きになったのです。

保健所から評価されたことは、単に「褒められた」という出来事ではありませんでした。
日々積み重ねてきた努力が認められたことで、従業員の意識が変わるきっかけになったのです。

正しい基準が、チームを一つにする

私はこの経験を通して、改めて感じたことがあります。
正しい基準があると、チームは一致団結しやすくなる。

人それぞれ考え方や経験は違います。

だからこそ、「誰のやり方が正しいか」ではなく、「みんなで守る基準」があることで、同じ方向を向いて取り組めるようになります。

HACCPは、保健所のために書類を作ることではありません。
現場で安全を守り、従業員全員が同じ基準で行動できる仕組みをつくること。

その積み重ねが、お客様の安心につながり、お店への信頼につながります。

保健所からいただいた「よく頑張っていますね。」という一言は、書類を評価されたのではなく、現場で継続してきた取り組みそのものを評価していただいた言葉だったのだと思います。

だから私は今も、HACCPは「やらされるもの」ではなく、現場を守るための仕組みづくりとしてお伝えしています。


まとめ

HACCPは、保健所のためのものではありません。
毎日の積み重ねが、従業員の意識を変え、お店を守り、お客様の安心につながります。

正しい基準があると、チームは一つになれる。
この出来事は、そのことを改めて実感した忘れられない経験です。

人が育つ現場には、理由がある。改善が続く現場には、仕組みがある。

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【筆者紹介】
徳王 美紀(とくおう みき)
飲食店専門 現場改善コンサルタント

飲食店を中心に、HACCP・5S・環境整備・従業員教育を通して、働きやすく、生産性と品質の向上につながる現場改善を支援しています。

【お問い合わせ】
現場改善や従業員教育、HACCP、職場環境づくりについてのご相談は、お気軽にお問い合わせください。

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