飲食店の現場では、「忙しいから仕方ない」と見過ごされている小さな不便がたくさんあります。
しかし、その小さな不便が毎日積み重なることで、作業効率の低下やムダな経費の発生につながっていることも少なくありません。
今回は、焼き鳥店の厨房で行った整理整頓の事例をご紹介します。
■ 地味な「イラッ」が積み重なる現場
厨房の中央に、持ち帰り用のフードパックが積み上げられていました。
ところが、積み方のバランスが崩れると床に落下してしまいます。
一度床に落ちた容器は衛生上使用できず、そのまま廃棄。
忙しい時間帯になると取り出し方も雑になり、補充の際にも崩れるという悪循環が発生していました。
スタッフの皆さんにとっては日常の風景になっており、「狭いから仕方ない」と半ば諦めている状態でした。
しかし、このような状態こそ改善のチャンスです。
■ 整理整頓は収納用品を買う前から始まっている
改善を始める前に行ったのは、
「何を、どれくらい、どのタイミングで使うのか」
を確認することでした。
整理整頓というと、すぐに収納用品を探してしまう方も多いのですが、本当に大切なのはその前段階です。
現在置かれている物の中に、
・別の場所でもよい物はないか
・使っていない物はないか
・必要以上に保管している物はないか
を確認し、まずはスペースを確保します。
整理をせずに収納用品だけを増やしても、結局は使いにくい状態になってしまいます。
■ 100均のワイヤーシェルフを活用

今回使用したのは100円ショップのワイヤーシェルフです。
フードパックの幅に合わせて仕切りを作り、結束バンドで固定しました。
すると、パックが横に倒れにくくなり、必要なものを必要な数だけスムーズに取り出せるようになりました。
補充もしやすくなり、落下による廃棄も防げます。
高価な設備や特別な収納用品は使っていません。
現場に合わせた工夫だけで改善できました。
なお、結束バンドを切った後の先端は鋭くなることがあります。
作業時のケガ防止のため、できるだけ根元からきれいにカットしておくことをおすすめします。
ワンポイントアドバイス!
爪切りを使うと綺麗にカットできますよ。
■ 見慣れた不便に気づく方法
便利に使えるようにと設置していたワイヤーシェルフでしたが、実際にはモノの出し入れのたびに回り込まなければならず、作業効率を下げている部分もありました。
不便だけれど何とか使えている。
そんな状態は、毎日見ているうちに違和感がなくなってしまいます。
現場改善ではよくあることです。
どのような状態ならもっと使いやすくなるのか。
一度現場を俯瞰して見ることが大切です。
その方法の一つとして、写真を撮ることをおすすめしています。
写真になると客観的に見られるため、
「なぜここに置いているのだろう」
「この動線は遠回りではないか」
「もっと取りやすい方法はないか」
といった気づきが生まれやすくなります。
■ 小さな改善が現場を変える
整理整頓による効果は、単にモノが片付くだけではありません。
環境が整うと、スタッフから
「ここも改善できそう」
「こうしたらもっと使いやすい」
という前向きな意見が出やすくなります。
また、普段は見えなかったスタッフのアイデアや工夫する力に気づくこともあります。
小さな改善の積み重ねが、働きやすい職場づくりにつながるのです。
■ まとめ
整理整頓は大がかりな設備投資ではありません。
100均グッズを活用した小さな改善でも、作業効率や衛生管理、スタッフの働きやすさは大きく変わります。
「仕方ない」と思っている不便の中にこそ、改善のヒントがあります。
もし今、現場に当たり前になっている不便があるなら、一度写真を撮って見直してみてください。
毎日見ている現場だからこそ、改善の種がたくさん隠れているかもしれません。
職場改善、従業員教育などお困りの方は「お問い合わせ」よりご相談ください。

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